【作業目的】
一般的に言うマスタリングとは、正確には「プリマスタリング」の工程を指します(世の便宜上、以後このブログではマスタリングと呼ぶ)
マスタリングは、ミックスダウンした2ミックス全体のサウンドを調整する工程になります
イメージしづらい方はこう考えて下さい
例えば10曲入りのアルバムを作る場合、10曲それぞれで素材は異なり、当然ミックスも違うので全体の音量レベルや音の質感は揃っていません
同じCDに入れるのに統一感がないと変なので、マスタリングはそれらを均一化するために行います(曲間の長さの調整も含む)
いわば仕上げの作業であり、料理で例えると出来上がった料理を皿に盛り付け、見た目を整える作業と言えばわかりやすいと思います
【突然ですが質問】
ここで1つ、読んで下さっている方に質問
調理が終わった後に派手な味付けや食材の加工をしますか?
しませんよね
する必要があれば調理が失敗だったということになります
これは音楽も同じです
リスナーはマスタリング後の音しか聴けないので比較しようがありませんが、マスタリングではミックスダウンの音からガラッと印象が変わることはありません
ガラッと変える必要があるならミックスが失敗だったということです
可能であればミックスをやり直しましょう
【特殊な作業なんです】
レコーディングは素材調達、ミックスは調理、マスタリングは盛り付け
それぞれの作業には全く違った目的があり、それを他の工程と混同すべきではありません
プロの世界ではレコーディングとミックスを同じエンジニアが担当する場合はありますが、マスタリングまで同じエンジニアがやることはほぼありません
メジャー流通のCDクレジットを見てみたら、マスタリングエンジニアは違う人の名前が書いてあるはず
マスタリングは非常に特殊な作業で、他の工程とは全く違った感性や技術が必要なのです
インディーズの制作では予算の都合で全部同じエンジニアがやることが多いかもしれませんが…
【最後に】
話が横道にそれましたが、マスタリングはあくまでも微調整であることを念頭に置きましょう
余談ですが、鬼門である「音圧戦争」に関する話題は別に記事を書きます
ざっと音楽制作の工程を書いてみましたが、少しはイメージが掴めたでしょうか
我々エンジニアはこういうことをやっているのです
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